プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか

知識労働の生産性の向上を図る場合にまず問うべきは、「何が目的か。何を実現しようとしているか。なぜそれを行うか」である。

「どのような貢献ができるか」を自問することは、自らの仕事の可能性を追求することでもある。

知識労働者は、自らに課される要求に応じて成長する。

「いつも失敗してきた。だから、もう一度挑戦する必要があった」

そしてまさに、「自らの強みが何か」を知ること、「それらの強みをいかにしてさらに強化するか」を知ること、そして「自分には何ができないか」を知ることこそ、継続学習の要である。

したがって、自らの属する場所がどこであるかを知るために、自らの強みを知ることが不可欠となっている。強みを知る方法は一つしかない。フィードバック分析である。

いまさら自らを変えようとしてはならない。うまくいくわけがない。それよりも、自らの得意とする仕事の仕方を向上させていくべきである。

集中とは、「真に意味あることは何か」「もっとも重要なことは何か」という観点から、時間と仕事について、自ら意思決定をする勇気のことである。この集中こそ、時間や仕事の従者となることなく、逆にそれらの主人となるための唯一の方法である。

決定が成果をあげるためには、必要条件を満足させなければならない。

しかし一般的に、成果をあげる決定は苦い。ここで絶対にしてはならないことがある。「もう一度調べよう」という誘惑に負けてはならない。

イノベーションに成功するものは保守的である。保守的たらざるをえない。彼らはリスク思考ではない。機会思考である。

知識労働者には、いつになっても終わりがない。

第二の人生をもつには一つだけ条件がある。本格的に踏み切るかなり前から助走しなければならない。

自らの成長に責任をもつ者は、その人自身であって上司ではない。誰もが自らに対し、「組織と自らを成長させるためには何に集中すべきか」を問わなければならない。

「燃え尽きた」とは、たいていの場合、飽きたというだけのことである。

私が一三歳のとき、宗教のすばらしい先生がいた。教室の中を歩きながら、「何によって覚えられたいかね」と聞いた。